顎が痛むことありませんか? 徹底解説【顎関節症の治療】
- 口腔外科
- 歯の豆知識
- 歯医者さんの耳寄り情報
このコラムを書いた人

あさざわ歯科医院院長 浅澤 清隆
あさざわ歯科、院長の浅澤清隆です。
私は地域のかかりつけ医として、
また、日本口腔インプラント学会専門医として、
日本の成人80%以上が罹患しているといわれる歯周疾患に精通し、
地域の皆様のお口の中の健康向上に寄与したいと思っております。
宜しくお願い致します。
◆徹底解説【顎関節症の治療】 顎が痛むことありませんか?
・こんにちは☺ 越前市・あさざわ歯科医院 院長の浅澤清隆です!
2022年が始まりました!今年も宜しくお願い致します。
昨年末から雪かきに追われる毎日になりましたが、お元気でお過ごしでしょうか?
今回は私も経験があり、あまり知られていない 『 顎関節症の治療法 』 についてお話しします。
◆あごの関節ってどこにあるの?
・あごの関節は「顎関節」と呼ばれ、お口を開け閉めするための関節のことです。
顎関節は耳の前にあり、下顎頭(カガクトウ)という下あごの付け根の骨のデッパリと、
下顎窩(カガクカ)という側頭骨の下端の骨のくぼみで構成されています。
・下顎窩と下顎頭との間にはこのイラストのように「関節円板」があります。
この「関節円板」は帽子の様に下顎頭にかぶさっていて、下あごが動く時、
骨と骨がずれないようにクッションの役割をしている組織です。
◆あごの関節は独特な動きをします
・お口を開けると、下あごの付け根である下顎頭はクッションの役割をする「関節円板」と
一緒に前方に滑走(滑るように移動)し、骨のくぼみである下顎窩から離れていきます。
・お口を閉じている時、関節円板は下顎頭と下顎窩の間にあります。
お口を開けると下顎頭と一緒に関節円板も前に移動します。
◆関節円板のずれによる症状って
・帽子の様に下顎頭に被さっている関節円板が前方にずれると、
お口を開けるときに下顎頭が関節円板をかぶり直す際に「カクッ」と音がします。
さらに、関節円板が下顎頭の前方移動の邪魔をすると口が開きにくくなります。
◆顎関節症の症状って?
・右耳の中でジャリジャリと音がする。
・口が急に開かなくなった。
・朝起きると両頬が疲れている感じがする。
・口を開ける時に右顎でガックンと顎がずれる。
・空気を飲んでしまい噛みしめ呑気症だと思った。
などがあげられ、場合によってはめまいや頭痛や耳鳴り、首肩のこり、背中や腰の痛みを引き起こすこともあります。
片方の関節だけカクカク音がする場合も多いですよ!
◆顎関節症の特徴
女性>男性
・10代後半より増加20代~30代で最大
その後高齢者や年齢を重ねると徐々に減少していく傾向。
雑音から痛みに移行するのは1割程度です。
◆顎関節の自己チェックをしてみよう
1.口を大きく開いた時、人差し指から薬指を並べた3本指を縦に入りますか?
( ①スッと入る ②ほぼ問題ない ③どちらともいえない ④やや困難 ⑤全く入らない )
2.口を大きく開け閉めした時、あごの痛みがありますか?
( ①まったくない ②たまにある ③どちらともいえない ④しばしばある ⑤いつもある )
3.口を大きく開いて、閉める時にまっすぐに閉められますか?
( ①いつも真直ぐ ②たまに曲がる ③どちらともいえない ④しばしば曲がる ⑤いつも曲がる )
4.干し肉、するめ、タコなど硬いものを食べると、あごや顔が痛みますか?
( ①痛まない ②たまに痛む ③どちらともいえない ④しばしば痛む ⑤いつも痛む )
この中の①~⑤を選んで、足していって、合計点数が9点以上の人は顎関節症かもしれません。
お気軽に越前市のあさざわ歯科医院へご相談下さい!
◆顎関節症の発症の要因とは
・顎関節症は多因子疾患
①様々な態癖
②歯列接触癖
③かみ癖 (片側での咀嚼癖)
①は患者が自覚しているので→改善しやすい
②、③は患者が無自覚なので→自覚しないと改善せず
当院では③が最も悪影響と考えています。
◆どうしてなるの? 態癖
・『バランスの悪い姿勢』など
□ 背中が丸まっていたり、重心が左右に片寄っている。
□ カバンなどを左右いつも同じ方の肩にかけている。
□ 寝る時いつも横向きで寝ている。
□ 肘をついたり、足を組んだりすることが多い。
などが主にあげられます。
※逆にこれらを改善することで症状が軽くなる可能性があります。
◆どうしてなるの? 歯列接触癖
『顎関節に過度な負荷がかけられている状態』
・集中する作業時にPCやスマホで下を向いている時ほど歯列接触癖は起きやすい
⇒ 現代の習慣病
◆歯の一日の接触時間は?
Q.ここで問題です。
歯は一日24時間1440分のうち何分程度 接触(噛む)しているでしょうか?
①17.5分
②60分
③120分
④180分
正解は①です。
たったそれだけ?と思うかも知れませんが食事の時以外は歯と歯は接触しておらず、
『安静空隙』と呼ばれる2mm程度のすき間があるのが正しい状態です。
先ず意識して頂きたいのが、日中リラックスしているときは上下の歯が約2mm離れているのが正常だということです!
◆どうしてなるの? かみ癖
『顎関節に過度な負荷がかけられている場合』
□ 日中気がついたら歯をくいしばっている。上下の歯が接触している。
□ 就寝中歯ぎしりをしている。
□ 噛む力が強い、よく噛む食べ物を好む。
□ 左右片噛みで食事をしている。
咀嚼は無意識行動
そもそも口の中には噛みやすい部位と噛みにくい部位があります。
利き腕があるのと同じこと。
これは一生変わらないです。つまり、みんなかみ癖はあるのです。
◆当院での歯列接触癖の治療法
・治療法として「常に歯を離しておきなさい」と言われたまじめな患者さんがそれを守った結果、
「どこで噛んでいいかわからなくなった。顎をどこに置いておけば良いのかわからなくなった。」
と悩んでしまうことになります。
・それを改善するために当院では、
【20分に一度息をフーっと吐く習慣をつける】
【歯が触れていると気づいたら息を吐く】
息をフーっと吐くと上下の臼歯部は必ず離れます。
「この2つを積極的にやりましょう」と患者さんに推奨しております。
・「新しい習慣を身に付けましょう!」ということをご説明します。
◆当院でのかみ癖の治療法
・かみ癖は歯列接触癖と同様に無意識行動なので歯科医が適切な噛み方・下顎の使い方・噛み方を指導すべきです。
かみ癖が病的な状態だと下顎の運動障害が起こるので顎関節症になる可能性があります。
・下顎頭の動きをコントロール、動きの悪い下顎頭の可動性と位置を改善させる必要があります。
・歯のかたちや歯ならび・噛み合わせを見ているのではなくて、
当院で重要視しているのは
下顎頭の可動性と不適切な位置にあるものを改善することに注目しています。
◆顎関節症の改善・治療法は
①患側の下顎頭に可動性を与え、下顎頭の運動障害を改善します。
(マウスピース)を装着して頂きます。
②片(偏)咀嚼の為害性 および下顎の使い方をご指導します。
③痛みが出ないよう安静にしましょう。
④患者さんにリハビリテーションの意識を持ってもらって、あくまでセルフケアで
正常ではない位置にある下顎頭の位置を正常に戻しましょう!
ということをお伝えしています。
◆最後に
・いかがでしたか?「顎が痛むことありませんか? 」
【顎関節症の治療】について理解が深められたでしょうか。
「あごが痛むのは治るのかな?」そういう時、
知らないことがあるとさらに不安になりますし、お悩みになることがわかります。
・今回、あごの関節のことをよく理解して少しでも不安を取り除くことが出来たら幸いです。
・他歯科医院で原因が分からずに治療してもらえなかった方など
私たちも全力でサポートしていきます!
ぜひ、越前市のあさざわ歯科医院にお気軽にご相談下さい。
◆診察のご予約、お問い合わせは ⇒ こちら から
(ご予約して頂いたほうが、待ち時間少なく診察させて頂くことができます)
※予約完了時はメールで返信させて頂きます。
当院からのメールが迷惑メールフォルダに受診される場合がありますので、ご注意ください。
(予約の状況。によって、お電話をおかけすることもございます)
当院が過去に作成したコラムです。是非ご覧ください。
・咬み合わせ・顎関節症 たくさん噛むと健康になる!?噛む習慣のススメ