えっ! 抜歯で麻酔が効かない!? そんな時・・・
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このコラムを書いた人
あさざわ歯科医院院長 浅澤 清隆
あさざわ歯科、院長の浅澤清隆です。
私は地域のかかりつけ医として、
また、日本口腔インプラント学会専門医として、
日本の成人80%以上が罹患しているといわれる歯周疾患に精通し、
地域の皆様のお口の中の健康向上に寄与したいと思っております。
宜しくお願い致します。
抜歯で麻酔が効かない!? そんな時・・
みなさん、こんにちは!
越前市、あさざわ歯科院長 浅澤清隆です。
今年は、暑い夏と豪雨が続いていましたが、
やっと過ごしやすい季節になってきました。
これからは、健康な身体を作り,
元気に過ごしていきたいものです。
本日は、「抜歯で麻酔が効かない!? そんな時・・・」
についてお話していきたいと思います。
◆抜歯で麻酔が効かない!?
「そんな恐ろしいことがあるの!?」という声が聞こえてきそうですが、
実際に麻酔が効かないことはございます!
そこで今回は、『日本口腔インプラント学会所属 専門医であり、
インプラント施術39年の浅澤清隆』 が
【抜歯で麻酔が効かない!? そんな時・・・】
についてお話していきます。
頻繁にあるわけではないですが、年に1~2人程
全く通常の麻酔が効かない人がいます。
お酒が強い人は効きにくいだとかなんだとか言わ
れてますが、原因はよくわかっていません。
そんな時どうするか? 諦めるのか?
そもそも歯科麻酔の種類についてご説明します。
◆歯科で扱う麻酔の種類について
☆浸潤麻酔 (しんじゅんますい)
よく行われる一般的な麻酔です。
施術する部位の近くに麻酔薬を直接入れることで、
浸潤 (しみわたらせて) して麻酔薬を効かせます。
これで99%の人は、効くのですが、稀に全く効かない人がいます。
そして、効かない場合は、ほぼ下顎であることが多いです。
◆歯科で扱う麻酔の種類について
実は、骨には、目に見えない孔があいているのですが、
下顎は上顎と違って、骨が緻密 (ちみつ) にできているため、
薬を入れても浸潤 (しみわたって) していかないことが多いのです。
これは、奥歯に行けば行くほど、
その傾向が強くなり、また年齢が上がるほど
骨も固くなっていきますので、
ご年配の方の下顎の親知らずはやっかいです。
骨が硬いと、抜歯するのも時間がかかったりします。
◆歯科で扱う麻酔の種類について
☆伝達麻酔 (でんたつますい)
伝達麻酔とはその名の通り、伝達して麻酔をします。
先ほどお伝えした通り、麻酔が効かない場合は、
下顎の場合が多いので、下顎にしかやらない方法です。
実は、下顎の歯の神経支配は
一本の太い神経 (下歯槽神経)が支配しています。
下顎の中に太い神経 (下歯槽神経) が入っており、
その神経から分岐して、それぞれの歯の神経を
支配しているので、その太い神経 (下歯槽神経)
ごと 麻酔させようということです。
◆歯科で扱う麻酔の種類について
太い神経 (下歯槽神経) はちょうど頬の内側あたりに、
下顎孔という穴が空いていて、その穴から骨の内部に入り込み、
そのまま顎の内部を進み、下の前歯のあたりに、オトガイ孔
という穴があるのですが、そこから外に出て下の前歯あたりの
歯ぐきを支配しています。
下顎孔とオトガイ孔は、この神経繊維
が出入りしているだけあって、肉眼で
もはっきり見ることが出来ます。
もちろん、解剖でのお話ですが・・・・。
◆歯科で扱う麻酔の種類について
太い神経 (下歯槽神経) は骨の内部で、分枝をして、
下の歯の半分や、歯ぐき、唇、そして舌も支配しております。
左右で別々の太い神経 (下歯槽神経) が走向しているので、
右側を麻痺させると、右側の太い神経 (下歯槽神経) から
分枝している範囲すべてが麻痺されます。
具体的には、右側半分の歯と一部分の
歯ぐきと右側半分の舌が麻痺されます。
この神経は、感覚性の神経で、
運動性の神経繊維はないので、
麻痺されるのは感覚だけで、顔の形
が変わったりすることはありません。
◆歯科で扱う麻酔の種類について
かなり、強力な麻酔になるので、滅多にやることはないのですが、
どうしても麻酔が効かない場合は伝達麻酔をすることがあります。
ちなみに、この太い神経 (下歯槽神経) は、親知らずを抜く時に
非常に近くを走行していることがあるので、抜歯時に誤って
傷つけてしまうと、上述した麻痺状態が出る方がいます。
切断や物理的な損傷で神経繊維を傷つけてしまった場合は、
原則的に治癒することはありますが、非常に長い期間(1年前後)
を要しますので、注意が必要です。
その他、麻酔時の注意事項としては、近くを血管が走行しているので、
血管に麻酔薬が入らないように慎重に行う必要があります。
◆歯科で扱う麻酔の種類について
☆静脈内鎮静 (じょうみゃくないちんせい)
今の所、伝達麻酔しても聞かないことはありませんでしたが、
心理的に歯科恐怖症がある方や、まだ出会ったことはないですが、
上顎で麻酔が効かない人がいた場合は、歯科の全身麻酔
(静脈内鎮静)という方法もございます。
静脈内鎮静は、全身麻酔のように腕の血管に直接薬を流し込む
方法で、本当に全身麻酔に近いので、ご希望される場合は、
大学病院などをご紹介いたしますので、ご相談いただければと思います。
いかがでしたか? 『抜歯で麻酔が効かない!? そんな時・・・』
について理解が深められたでしょうか。
越前市あさざわ歯科医院の無痛麻酔法では、
まず、表面麻酔のシールを貼ってから
体温の37℃に温められた麻酔薬を
電動麻酔器でゆっくりゆっくり一定の
圧力で注入していくため、ほとんど痛み
を感ずることはありません!
安心されて 快適な環境で
クリーニングや治療をお受け下さい ♪
越前市あさざわ歯科医院、院長 浅澤清隆でした。
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