災害時の歯みがき、お口のケアはあなたの命を守る!
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このコラムを書いた人
あさざわ歯科医院 歯科衛生士 MT
あさざわ歯科、歯科衛生士の M T です。 一人でも多くの方が、健康的な歯で幸せな生活を送れるよう治療に対する不安や恐怖を和らげ、安心して治療を受けて頂くために、日々勉強をしていきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
◆災害時の歯みがき、お口のケアはあなたの命を守る!
こんにちは!
越前市あさざわ歯科医院、歯科衛生士のMTです。
今、令和6年能登半島地震に伴う災害被災者方に起こる
【災害関連死の誤嚥性肺炎】を防ぐために、
【口腔ケア】の重要性が指摘されています。
そこで今回は、前回に加えて
『災害時の歯みがき、お口のケアはあなたの命を守る!』
について詳しくお話して行きたいと思います。
◆災害時こそ口腔ケア(オーラルケア)が重要
≪誤嚥性肺炎を予防する|災害関連死|災害時の歯みがき方法≫
私達が普段何気なく行っている歯みがきですが、
災害時には歯みがきなど口の中を清潔に保つ
口腔ケア(オーラルケア)は非常に重要な
行為となります。
たかが歯みがき、されど歯みがきです。
災害時になぜ口腔ケアが重要になるのか、
日頃の備えはどうすればよいのか、
少ない水でどう歯磨きをするのか
について今日はお話します。
◆災害時は【誤嚥性肺炎】を起こしやすい
災害が発生し、避難所生活や水が貴重になる状況においては、
歯みがきなど口腔ケアをためらうことが多く、
口の中が不潔になりがちです。
口の中で細菌が繁殖し、
それが気管から肺へ侵入することにより、
【誤嚥(ごえん)性肺炎】を引き起こします。
災害時は疲れ、ストレス、低栄養で
免疫力が低下しやすい状態であり、
特に高齢者の方では【誤嚥性肺炎】発症の
危険性が高くなります!
高齢者の誤嚥性肺炎は死亡率が高く、
特に災害時は医療体制の混乱から
初期治療が遅れやすいため、
【誤嚥性肺炎】により死亡する危険
がさらに高くなります。
そのため、災害時であっても
【口腔ケア】による肺炎予防が非常に重要です!
◆災害関連死になる【誤嚥性肺炎】
大地震で建物倒壊による圧死・窒息死、
津波に巻き込まれて溺死するなど、
災害に直接関係する死とは別に、
その後の避難生活などで病気を発症して死亡したり、
持病が悪化することで死亡することを
「災害関連死」といいます。
震災関連死といわれることもあります。
避難生活において誤嚥性肺炎で死亡することは
災害関連死に該当します。
1995年の阪神淡路大震災では災害関連死の24%が肺炎で、
そのほとんどが【誤嚥性肺炎】であったと考えられています。
また2011年の東日本大震災でも、震災発生から
1〜2週間後の死亡原因として、肺炎が最も多かった
という報告があります。
この他の災害においても、【誤嚥性肺炎】
による災害関連死は常に多数発生しており、
非常に危険な病気であるという認識が必要です。
◆災害時に便利な歯みがき・口腔ケアの方法
≪歯みがき・お口のケアはあなたの命を守ります!≫
災害時は水は非常に貴重になりますが、
歯みがきや口腔ケアは必ず実施する必要があります。
災害時に便利な歯みがき・口腔ケアの方法を
次にご紹介します。
◆水がない時の歯みがきの方法
◆要介護者の口腔ケアを紹介
この他、日本口腔ケア学会のホームページでは、
要介護者や嚥下障害のある方の口腔ケア方法に
ついても紹介されています。
ご家族に該当される方がいる場合、
一度 日本口腔ケア学会のホームページを
参照しておくとよいでしょう。
◆歯ブラシがない時の口腔ケアの方法
避難所などで歯ブラシがないということも想定されます。
その場合、食後に30mL程度の水やお茶でしっかり口の中をゆすぎ、
ハンカチなどを指に巻いて歯ブラシ代わりに歯をぬぐうと効果があります。
ハンカチの代わりにノンアルコールタイプのウェットティッシュを
指に巻いて歯ブラシ代わりとするのもおすすめです。
歯磨き用のウェットティッシュも販売されています。
避難所へ行く可能性を考え、非常用持ち出し袋には、
歯磨き用ウェットティッシュを入れることもおすすめです。
◆マッサージで唾液の分泌を促進させる
唾液には、口の中の汚れを洗い出す働きがあります!
水分をしっかりと摂取し、あごの付け根・
耳の真下の部分(唾液を分泌する唾液腺があります)
をマッサージしたり温めたりすることで、
唾液の分泌を促してくれます。
キシリトールシュガーレスのガムを食後に噛むことも有効です。
唾液の分泌を促し、口の中を清潔に保ちやすくなります。
◆洗口液は災害時に非常に便利
デンタルリンスや洗口液を、歯みがき粉の代わりに
液体歯みがきとして使うこともできます。
適量(約10mL)を口に含み、30秒ほどブクブクして、
口腔内に行き渡らせた後にブラッシングします。
ブラッシング後は、水ですすぐ必要はありません。
味や香りが気になる場合少量の水で
1回のみすすいでもかまいません。
液体歯みがきには殺菌成分が含まれているため、
口腔内の菌を減らすのに非常に有効です。
コンクールF などのうがい薬も、
口腔内の菌を減らしてくれる作用があります。
普段からデンタルリンスや洗口液を使う習慣がある方は、
常に1つ未開封の在庫を確保して備蓄しておくことで、
普段の生活の中で防災対策をすることができます。
◆コンクールF (ウェルテック)
災害時の口腔ケアに非常に有用であり、
かつ普段使いにも便利なのが、
薬用マウスウォッシュ「コンクールF」です
災害時の口腔ケアに非常に有用で、かつ普段使いにも便利。
「コンクールF」は、原液のまま使用する
デンタルリンスと異なり、水で薄めるタイプになります。
約25mlの水に5〜10滴垂らして使用するため、
1本で約400〜600回程度使用することができ、
コストパフォーマンスが非常に良いところも特徴です。
殺菌力も強く、含有されている
グルコン酸クロルヘキシジンが細菌の繁殖を
最大12時間抑制してくれます。
※実際の医療現場でも使われており、多くの
歯科医が推奨している点も重要なポイントです!
◆入れ歯のケアも重要です
入れ歯を使用している方は、
入れ歯のケアについても備えておく必要があります。
入れ歯用のウェットティッシュや入れ歯洗浄剤は、
常に在庫を確保しておくようにしましょう。
◆日々の歯みがきにも防災の意識を持ちましょう
このように歯みがき・口腔ケアは、
身だしなみとしてだけではなく、
災害時においては命を守る行為と言えます
普段から行っている行為だからこそ、
少し防災を意識するだけで災害対策をすることが可能です。
次に歯ブラシや歯みがき粉、デンタルリンス
などをお店に買いに行く時は、
1つ多めに買ってみるといった行動から、
災害時の口腔ケアを意識してみましょう。
◆最後に
いかがでしたか? 災害時の歯みがき、
お口のケアはあなたの命を守る!
について理解が深められたでしょうか。
歯みがき・口腔ケアは、身だしなみだけではなく、
災害時においては命を守る行為と言えます。
この火山列島日本での生活では、
震災を自分事と考えて備えましょう。
ぜひ防災グッズには歯ブラシ・洗口液も入れて
【誤嚥性肺炎】や虫歯・歯周病予防に役立てて下さい!
快適な環境でクリーニングやメンテナンスをお受け下さい ♪
越前市あさざわ歯科医院、歯科衛生士のMTでした。
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