エッー! 【歯磨き】 一日一回ではダメなの?
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このコラムを書いた人

歯科衛生士 M T
あさざわ歯科、歯科衛生士の M T です。 一人でも多くの方が、健康的な歯で幸せな生活を送れるよう治療に対する不安や恐怖を和らげ、安心して治療を受けて頂くために、日々勉強をしていきたいと思っておりますので、どうぞ宜しくお願い致します。
エッー! 【歯磨き】 一日一回ではダメなの?
こんにちは! 越前市あさざわ歯科医院、
歯科衛生士のMTです。
当院では、インプラントの検診や虫歯や
歯周病の定期健診を行っておりますが、
最近ではクリーニングやホワイトニング
を希望される患者さまも増えています。
そこで今回は、
『歯磨き一日一回ではダメな理由』
について書いていきたいと思います。
◆歯磨き一日一回ではダメな理由
歯磨きは虫歯や歯周病を防ぐ
ための基本的なケアですが、
歯垢は食後すぐに形成され、
数時間以内に歯に再付着するため、
一日一回だけでは不十分です。
歯磨きが一日一回ではダメな理由や、
その代わりに何を心掛けるべきかを
ご説明します。
◆歯磨き一日一回ではダメな理由
≪ 目次 ≫
① 歯垢が再び蓄積されるスピード
② 食後の歯磨きの必要性
③ 虫歯になる流れ
④ 歯磨き一日一回ではダメな理由
・酸性の環境が長時間続く ・歯周病のリスク増加
・口臭の原因になる ・磨き残しのリスク
・食後の酸による歯の保護
⑤ 歯磨きは自宅で行える最大の予防
・プロのクリーニングの必要性
・就寝前の歯磨きはしっかりと
⑥ まとめ
◆歯垢が再び蓄積されるスピード
歯垢は食後すぐに形成され始め、
数時間以内に歯の表面に再付着します。
歯磨きを一日一回だけ行うと、
その間に蓄積されたプラーク
が除去されないため、虫歯や
歯周病のリスクが高まります。
特に就寝前の歯磨きは、
唾液の分泌が減少する夜間
にプラークが歯に定着しやすく
なるため、非常に重要です。
◆食後の歯磨きの必要性
食後の歯磨きが必要なのかについては、
歯磨きにより細菌が酸を排出する
活動を抑制し、中性に保つためです。
歯は食事の際に上下の歯で噛み
合わせて咀嚼を行います。
前歯で食べ物をちぎり、奥歯で食べ物
をさらに小さくすりつぶし、すりつぶした
食べ物は唾液と共に消化管へ送り、
体内に栄養を吸収します。
お口の中に虫歯菌を保有している方が、
歯と歯の間、歯と歯肉の間に小さな
食べ物を詰まらせたまま放置していると
どうなるでしょうか。
◆虫歯になる流れ
歯磨きをしていないお口の中はこのような流れ
で虫歯になります。
① 虫歯菌が食べかすの糖分を取り込み
酸を排出する。
② 歯に付着した歯垢の中で細菌が増殖する。
③ 口腔内が酸性に傾き、固い組織である歯の
エナメル質が溶ける。
④ 溶かした部分から穴が開き、そこから細菌が
歯の内部へ侵入する。
⑤ 象牙質、神経(歯髄)など更に内側に入り、
神経が死に膿が顎の骨の中に出来てしまう。
◆歯磨きが一日一回ではダメな理由
歯磨きが一日一回でダメな理由は、
口腔内を清潔に保てないからです。
とはいえ、強い力で歯をこするように
磨くのは、かえって逆効果になります。
時間をかけてやさしく丁寧に磨く
と歯のエナメル質を傷つけず、綺麗に
歯面を細かくみがくことができます。
歯みがきの頻度を以前厚労省が
調査したところ、一日二回という
回答が一番多かったようです。
昼はやはり外出している人が多いため、
なかなか食後に歯を磨けないのでしょう。
昼食後に歯みがきを行えない
環境にいる方は、
うがいをおすすめします。
1.≪酸性の環境が長時間続く≫
食事や飲み物の摂取後、
口の中は酸性になり、歯のエナメル質が
溶けやすい状態(脱灰)になります。
これを中和するには、定期的に歯磨き
を行って歯を保護する必要があります。
一日一回では、
この酸性環境が長時間続くため、
歯の表面が弱くなり、虫歯の
リスクが高まる可能性があります。
2.≪歯周病のリスク増加≫
一日一回の歯磨きでは、歯と歯ぐき
の間に残ったプラークや食べかすを
十分に取り除くことができません。
これにより、歯周病のリスクが増加。
歯周病は放置すると歯を支える骨を
溶かし、歯を失う原因にもなり得ます。
特に朝と夜の2回以上の歯磨きが、
歯周病の予防には効果的です。
3.≪口臭の原因になる≫
一日一回の歯磨きでは、
口臭の原因となる細菌や食べかす
が口の中に残りやすくなります。
特に食事後に歯磨きを行わないと、
舌や歯の表面に細菌が繁殖し、
悪臭を放つ揮発性硫黄化合物が
発生することがあります。
定期的に歯磨きを行い、
細菌の繁殖を抑えることで、
口臭を防ぐことができます。
4.≪磨き残しのリスク≫
一日一回の歯磨きでは、
すべての歯をしっかりと磨く時間を
確保するのが難しい場合があります。
特に奥歯や歯の裏側は磨き残し
やすいため、複数回に分けて
丁寧に磨くことが推奨されます。
二回以上の歯磨きを行うことで、
磨き残しを減らし、口腔内を清潔に
保つことができます。
5.≪食後の酸による歯の保護≫
歯磨きが一日一回では、
特に酸性の飲食物を摂取した後に
エナメル質が弱ったまま放置される
ことがあります。
酸性の食べ物や飲み物(例えば、
ジュースや柑橘類)を摂取すると、
歯の表面が一時的に柔らかくなります。
この状態で時間が経つと、
歯が酸蝕症になるリスクが高まります。
食後すぐに歯磨きを行うことで、
酸の影響を抑えられます。
◆歯磨きは自宅で行える最大の予防
歯に食べかすや歯垢を付着させたまま
では、ねばねばとしたバイオフィルム
(細菌の塊)や歯石の原因になります。
歯や歯肉溝、歯周ポケットに
沈着すると、歯周病や着色汚れ、
虫歯のリスクが高まります。
これらを予防するためには、
毎日自宅で歯磨きを行い、
プロのメンテナンスを定期的に
受診することです。
≪プロのクリーニングの必要性≫
セルフケアだけでは、どうしても歯垢や
バイオフィルムが残ってしまいます。
何日も歯垢が取れなければ唾液の
成分と結合し、歯石となり沈着します。
エアフローやスケーラーなど歯科衛生士
による専用器具を使用したクリーニングを
定期的に受けることで歯石やバイオフィルム
が除去でき、歯の表面もつるつるとした
綺麗な歯になります。
また、歯周病や虫歯になっても早期に対処する
ことが可能なので、ご自身の歯の健康を長く保つ
という意味でも、定期健診に行く必要があります。
≪就寝前の歯磨きをしっかりと≫
特に就寝前の歯磨きは、フロスや
歯間ブラシ、タフトブラシを使用して
ブラッシングを行いましょう。
眠っている間は、唾液の分泌が少なく
口腔内が乾燥してしまうため、虫歯や
歯周病が進行しやすい時間帯です。
歯間や歯肉、歯周ポケットなどを
しっかりと歯ブラシの毛先や、歯間
ブラシ、デンタルフロスで掃除し、
食べかすや歯垢を除去しましょう!
◆まとめ
一日一回の歯磨きでは、歯垢や食べ
かすを十分に取り除くことが難しく、
虫歯や歯周病のリスクが高まります。
特に就寝前の歯磨きは、夜間の唾液
分泌の低下による細菌繁殖を防ぐ
上で欠かせません。
☆ 就寝前の歯磨きを丁寧に行うように注意する
☆ 定期的にクリーニングをしてもらい、
歯周組織を健康に保つようにする
さらに、日中に歯磨きが難しい場合でも、食後の
うがいやデンタルフロスの活用が効果的です。
いかがでしたか?
エッー! 【歯磨き】 一日一回ではダメなの?
について理解が深められたでしょうか。
健康な歯を保つためには、
毎日の 【セルフケア】 と
【定期的な歯科健診】 を
組み合わせることが重要です。
歯のケアを習慣化し、
長期的なお口の健康を目指しましょう!
快適な環境でクリーニングやメンテナンスをお受け下さい ♪
越前市あさざわ歯科医院、歯科衛生士のMTでした。
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